- 皮革に生える代表的なカビ
- カビが繁殖する4つの条件
- カビを発生させないためには
- カビが生えてしまったら
皮革に生える代表的なカビ
カビ名 | クロカビ・クロカワカビ (クラドスポリウム) |
アオカビ (ペニシリウム) |
カワキコウジカビ (ユーロチウム) |
分類 | 好湿性カビ | 耐乾性カビ | 好乾性カビ |
色 | 暗緑色から黒色 | 発育初期は白色。成長によって、青緑色、灰緑色、黄緑色、灰白色、淡桃色などの色になる。 | 青緑色や黄色 |
性質 | 湿気の多い所を好む | 湿気と乾いた所両方を好む | 乾いた所を好む |
湿った環境で生息し、発生条件が備わるとたちまちのうちに発生するカビ群。湿っぽい環境で長期にわたって生存するが、乾燥には弱く容易に死滅する種類が多い。 | 乾いたところで長く生き続けることができ、その状態では発育できないが、湿った条件が加わると発生するカビ群。(発育のための最低相対湿度80%以上) | 元来湿ったところより乾燥した環境に多く、長期間生き続けることのできるカビ群。僅かの湿気が入ると容易に発生する。(発育のための最低相対湿度65~80%程度) | |
特徴 | 本来は土壌のカビで、それが空気中に飛散するので空気中に多いカビである。好湿性で中温性で薬剤にも弱いが、一旦繁殖すると薬剤に対して相当な抵抗性を示す。畳、壁、台所、プラスチック、皮革等を汚染するが、一番多い場所は風呂や台所等の水まわりである。 | 耐寒性で中温性のカビで、自然界での分布は広い。ジュウタン、ベニヤ板、皮革等に多いが、押入れや結露の多い壁、畳にも多く見られる。発生すると真白か緑色に見える。乾燥に強いので、乾いた場所でも数年は生きられる。アレルギー症のアレルゲンとなる。 | 乾燥に強く、数年に渡って生き続ける。畳、ジュウタンや家の塵(チリ)に多く見られる。また、本、フィルム、ガラス等にも生える。 参考:カワキコウジカビの生えた靴 |
カビが繁殖する4つの条件
- 栄養源がある : 埃・汚れ・皮脂・汗・革そのものなどの有機物
- 湿度が高い(80%以上) : かなり低い湿度で生育するものもあるが、大部分のカビは湿度が60%を超えると発生しやすくなり、80%を超えるとあっという間に増殖する。
- 温度が高い(20~30℃) : 発生しやすいのは20~30℃で、特に25℃前後で活発に発生する。30℃以上になると発生は衰え始め、36℃以上では発生が殆ど止まる。低温、高温を好むカビもある。
- 換気が悪い
カビを発生させないためには
- 人が住むのには快適で、カビには住み辛い湿度50~60%程度にコントロールする。
カビが生えてしまったら
- 消毒用エタノール(約80%)を脱脂綿に含ませて拭き取る。ただ、アオカビの1種のペニシリウム・シトリナムを消毒用エタノールで殺菌するには、作用時間が10分必要であり、消毒用エタノールで拭き取る程度では、皮革に生えた糸状菌(カビ)を殺菌するのは難しい。
http://www.yoshida-pharm.com/information/dispatch/dispatch19.html - Obenauf 社は消毒用エタノールと水を1:1で混ぜて、アルコール濃度を約40%にしたもので拭き取ることを薦めているが、アルコール濃度が低いと殺菌力が低下する。
http://www.etoh.co.jp/99dic/index.htm#sakkin
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med/product/008/g5.html
参考記事
・ 住まいの湿気とカビ対策 (元東京都立衛生研究所 吉川翠氏)
・ カビの発生条件 (元東京都立衛生研究所 吉川翠氏)
・
(まとまった良い資料でしたが、リンク切れ)
・ 部屋で見かけるカビ (横浜市衛生研究所検査研究課)
・ カビとカビ毒 (東京都衛生局生活環境部食品保健課)
・ カビの基礎知識 (衛生微生物研究センター研究所)
・ カビの基礎知識 (アースプランナー静岡防菌研究所)
・ 消毒と殺菌 (飼鳥情報センター)
・ 滅菌、消毒、殺菌、除菌が意味するところ (岡山県立大学 山本耕一郎氏)
・ 絵画のカビ対策
・ カメラのカビ対策
・ 貴重書のカビ対策
・ 紫外線による殺菌とは
・ 紫外線による殺菌
・ 殺菌灯について
・ 足の臭いと細菌-実験しました
・ ぼくときみとの微生物 消毒と滅菌
0 Comments:
コメントを投稿