2014/07/14

ミヨーの手袋

7/14/2014

ミヨーの手袋 gants de Millau

 中世より羊や山羊のなめし革産業が盛んだったミヨーは、自然と革手袋の製造が盛んとなり、20世紀初頭は「手袋の都」とまで呼ばれまでになりました。一時、生産が落ち込んだものの、現在残っているミヨーの手袋工房は、伝統に裏打ちされた確かな手仕事が高く評価され、ラクロワ、シャネル、エルメス、ヴィトン、ディオールなど有名ブランドからこぞってオファーを受け、高級手袋のメッカとして復活を遂げたのです。

 なかでも老舗店「コース」の手袋はマドンナ、カイリー・ミノーグにも愛用されています。コース社の工房(マニュファクチュア)には歴代の名作となる手袋が大事に展示され、町の手袋産業を担った社の歴史が感じられます。併設のブティックは宝石のように並ぶ最新モデルに目を奪われることでしょう。おしゃれ上級者ならぜひ訪れたい場所。

ミヨーの手袋 | フランス観光開発機構

 南フランスのアヴェロン県に位置するミヨー市は、中世から羊の皮のなめし産業が盛んです。この辺りは羊の生乳で作るロックフォールという青カビチーズの産地でもあり、羊の皮には事欠かなかったことと、タルヌ川が流れ、なめし産業に適した条件であったためです。

 古くから手袋の製造で有名となり、20世紀初頭には「手袋の都」と呼ばれていました。1960年代には80軒もの工房で約6,000人が働き、470万双の手袋が生産されていたそうです。残念ながら近年では斜陽化が進んでしまっていますが、今でも伝統的な手法で製法する工房がいくつか残っています。その中でも有名なのが「コース」というメゾンです。

Vol.161 伝統工房で作られる手袋~コース | プランタン銀座






Maison Fabre

 めっちゃ伸ばしてましたねえ(世界ふしぎ発見! 39分頃~



Causse (Chanel)


Tradition| Causse Gantier


Heritage | Causse Gantier

 Paul、Jules、Henriの3兄弟が1892年創業。ミヨーの技術の評判が米国に伝わり、ニューヨークのGloversville(文字通り、手袋職人の町)にあるAlexette Bacmo社が、1910年頃、JulesとHenriを引き抜いた。





Hilts-Willard Glove Corporation in Gloversville, N.Y.

  • 作業用の手袋や安いドレス用手袋は、馬、仔牛、レインディア(トナカイ)、犬、家畜化されたウールシープ(毛用種)、どこにでもいる豚の革で作られたのに対して、上質で高級な手袋は、ヘアシープ(肉用種又は乳用種)、山羊、子羊、鹿、野生の豚、仔山羊、米国非在来種の動物の革で作られた。
  • スコットランド パースの手袋職人が米国に移住した植民地時代から、ニューヨーク州フルトン郡のGloversvilleとJohnstownは手袋産業の中心地で、米国製手袋用レザーの90%と上質な手袋の70%がフルトン郡で作られた。
  • テーブルカッターはテーブルカッターの息子でなければならないという伝統がGloversvilleにはあった。

Popular Science Jul 1942 1
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Popular Science Jul 1942 3
Popular Science Jul 1942 4

Popular Science 1942年8月






四国手袋工房

理想のグローブを求めて | 尾原手袋製作所・屋島工房

 工房では、裁断前に徹底的に革を伸ばしていきます。タテにヨコに、時には体重をかけたりすることも。「伸ばし」の作業をしながら、革と対話していきます。強いところはどこなのか? どんな繊維の状態なのか? 当然生き物なので一頭一頭異なるわけです。
 鹿革の繊維にそって伸ばしていくことで、革の伸びが止まる所が出来てきます。こうなるまで「伸ばし」を続けます。
 革の伸びの止まる方向を手の上下方向に、まだ伸びる方向を手の左右方向に裁断します。こうすることで、手をいれて拳を握ると革の繊維が「ぐにっ」と広がるようなグローブになるのです。仮に逆だと、手の甲がきついばかりか、指ばかり伸びるグローブになってしまいます。

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