Q6. 牛革には、カーフ、キップ、ステアとあると聞きましたどうやって見分けるのですか?
A. 牛皮は、生後6ヶ月以内で原皮重量が15ポンド以内のものをカーフスキン(子牛皮)、30ポンドまでのものをキップスキン(中牛皮)、それ以上で、生後3ヶ月頃に去勢したものをステアハイド(成牛皮)という。牛の毛穴の数は生まれた時から増加しない。成長につれて皮膚の面積と厚さが増加し、毛も繊維も太くなる。したがって表面では毛穴が大きく、その間隔が広がる。このことがこれらを区別する材料となる。すなわち、肉眼あるいは拡大鏡で表面を観察すると、カーフでは肉眼で毛穴をみることは容易でないが、キップ、ステアになるにつれてはっきり見えるようになる。また、革の裏面から繊維の状態を観察すると、カーフ、キップ、ステアとなるにしたがって繊維が太くなることがわかる。
毛穴は動物の種類による特有の配列をしている。
カーフスキンは同じ大きさの毛穴がほぼ均一に分布している(図3.8)。成長するにつれて、毛穴の径と間隔は大きくなるが、配列が変わることはない(図3.9)。
ゴートスキンは大小の毛穴が交互に並び(図3.10)、ウールシープスキンは小さい毛穴が塊になっている。
毛穴の配列によって、動物の種類が分かる。
カーフスキン
成牛
ゴートスキン
シープスキン
デジタルマイクロスコープを用いた皮革素材の観察 (PDF) | 大阪府立産業技術総合研究所
- エゾシカの生皮(A~D)とタンニン鞣し革(E~H)
- A・Eは春(6月)、B・Fは夏(8月)、C・Gは秋(11月)、D・Hは冬(2月)
- スケールバーは 0.3 mm (A~D)、0.2 mm (E~H)
- 春・秋(換毛期)の毛穴は大きめ
エゾシカ外皮の鞣しに伴う変化 (PDF) | 北海道畜産草地学会 (2007)
- エゾシカ雌3歳(左半分 A・C・E・F・I・J)、ホルスタイン種去勢0.5歳(右半分 B・D・G・H・K・L)
- 生皮(A・B)、脱灰皮(C・D)、クロム鞣し(E・G・I・K)、タンニン鞣し(F・H・J・L)
- スケールバーは 0.2 mm (A~H)、0.001 mm (I~L)
The chemistry of leather manufacture, by John Arthur Wilson (1928)
Training course for retail shoe salesmen. V. 3. | HathiTrust Digital Library
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