・・・ちょっと黒ずんでいますよね。これはインソール(中底)とコルクの間に溜まっていた汗の塩分が炭化したもの。長年靴を履き続けるとアウトソールだけでなく、普段は気付けないもののインソールも確実に劣化してゆく何よりの証拠・・・
黒ずんで硬い状態を炭化と例えてるんでしょうが、炭化ではないですねえ。この状態を表す用語は無いんじゃないかな?
( 炭化 | Yahoo!百科事典 : 有機物質を空気や酸素の流通を断って加熱すると、黒色の炭素に富んだ物質に変化するが、このプロセスを炭化という。)
汗(塩と酸)と雑菌・微生物でやられる。
革は「洗ってはいけない」という話を良く聞きます。
当然、水で洗うことは革へダメージを与えます。しかし、グローブは直接素肌に触れるため、革に入る汗などの汚れにより雑菌が繁殖し、革の繊維質を壊していきます。それによって、革が硬化して紙のようになってしまう事もあります。
汗や汚れが付いたまま使い続けるよりも、積極的に洗って清潔に保った方が、グローブとしては長持ちすると、JRPは考えます。
Q. 革靴を長持ちさせるには、毎日同じ靴を履き続けないことといわれていますが何故ですか。また、その外にどのようなことに注意すれば良いでしょうか教えてください。A. 気に入った靴はきれいな状態で長く履きつづけたいものです。靴を長持ちさせるポイントをご紹介致します。
ポイント(1)
常日頃履く靴は、数足用意して毎日履きかえることは、靴を長持ちさせるだけでなく、ムレ対策の一つともなります。なぜかと言えば、日中履いて汗を吸収した靴は、一晩置いただけでは元の状態まで乾ききらず、毎日履き続けると次第に水分が蓄積されてしまいます。そのため、靴がいたみやすくなると同時に、次第に水分の吸収が悪くなり、靴の中がムレやすくなって、微生物の繁殖しやすい環境となるので、衛生上も良くないのです。また、革は水分を多く含むと伸びやすくなる性質があり、形を崩していわゆる「くたびれた靴」になりやすくなってしまいます。このようなことで、2~3足の靴を交代で履き、靴にも十分な休息を与えることが必要となるのです。・・・
・・・汗は98%が水で、残り2%が塩と酸(蟻酸、酪酸、尿酸、酢酸など)で出来ている。靴の中が常に湿気を持っていると、それだけで不快感が生まれるし、靴の内側の素材(裏張り、内底など)にもダメージを与えてしまう。しかし、実際深刻なダメージを与えるのは塩や酸であり、これらは素材の繊維をぼろぼろにし、型くずれや寿命前に靴が「老化」してしまう原因となる。こうして靴がぴったりと合わなくなるのだ。この塩や酸の作用は、靴の素材のシミや反り返りなどの原因ともなる。・・・
“汚れる”以外に、
汗の吸収、微生物による汗(尿素)の分解 → pHの上昇 → フェノール類の放出
によって、タンニンなめしの革は黒ずむ、らしい。
Q5. カバンのヌメ革の取っ手が使用していると黒く変色するのは何故か?A. ヌメ革の色は植物タンニンの色であるが、白味の程度が大きいものは、酸性亜硫酸ナトリウム等の還元性漂白剤で漂白されている。また、植物タンニンの色はpHにより変化する。酸性側では黄味に、アルカリでは赤味になる。ヌメ革のpHは通常4~5程度である。取っ手が汗を吸収するとpHが上昇し赤味になる。さらに、日焼けと汚れが重なり黒ずんでくる。
特殊な例としては、鉄分が付くとタンニン革は黒く変色する。タンニン革の製造工程でも厚さを調整するシェービングで、刃の研磨屑が革に付くと点々と黒いシミがつく。これは、その後の工程において除鉄剤(シュウ酸やキレート剤)で処理をして除いている。
・・・人の汗腺はほぼ全身に開口しているが、手掌や足底に開口している汗腺はエクリン腺で汗腺密度は高く、成分はほかの部位より食塩濃度が高いため蒸発しにくい傾向がある。また精神性発汗が主で温熱性発汗はみとめられず、手掌や足底は外気温に関係なく寒冷環境下でもいつも軽く湿った状態になっている。・・・・・・汗の除去が円滑に行われなければ、汗やその誘導成分は靴内で素材に吸収されて蓄積し、微生物によって分解され悪臭を発する。さらに汗中の尿素が分解されるとpHが上昇し、細菌の繁殖を助長するなど、足皮膚の衛生上好ましくない。
汗の成分はほとんどが水であり、残りわずか0.5%程度で、NaCl、窒素化合物、乳酸などである。・・・三ツ井 紀子 “靴内気候と快適性” 繊維学会誌, Vol. 65, No. 5, pp.P_166-P_170 (2009)
汗には使用中の革を大きく劣化させる作用があると考えられている。
Bowes(1963)は、色々な種類の革への汗の影響に関して、広範囲にわたる研究を発表している。例えば靴で問題を起こすのは、水分、熱および汗の組み合わせによるものである。汗の主成分は、塩化ナトリウム(0.3~0.5%)、乳酸(0.1~0.3%)、アミノ酸(0.05%)、尿素(0.05%)である。湿気があるとできる乳酸ナトリウムは、クロム結合を無くす原因であり、収縮温度を低くする(Haines、1991c)。
タンニンなめしで人工的な汗を用いて試験をしたところ、クロムなめしと比べて、タンニンは汗の影響を小さくすることが分かった。人工的な汗によるタンニンなめしの主な変化は、pH の上昇のためにフェノール類が放出されて、色が濃くなることであった。
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