近々、公式HPでもアナウンスされると思いますが。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
ホーウィンとエアロレザーの共同声明
Skip Horween（ホーウィン社長）と Ken Calder（エアロレザー会長）による声明。
ホーウィン製 heavy 4oz クロムエクセルステアハイドで作られたジャケットの偽装販売の責任が、Will Lauder（エアロレザー前社長）にあることが分かりました。
ステアハイドのジャケットがフロントクオーターホースハイドとして売られていました。ホーウィン社とエアロレザー社のどちらも関わることを望まない深刻な不当表示です。
2日前、偽装販売に気づいていない顧客から、交換のためにジャケット2枚が工場に返品されました。2枚とも、ホースハイドとして故意に偽装販売されたと思われるステアハイドでした。
ホーウィン社とエアロレザー社とも、この偽装販売を極めて深刻に考えています。皆さんお分かりのように、顧客満足と商品の信頼性は最も重要な検討事項です。
ここ12ヶ月間に very heavy "Horsehide" ジャケットを買われ、商品についているタグと革の信頼性を懸念された皆様、holly@…にメールをお願いします。商品を調査し、革が何か確認します。適当な状況において、ジャケットの交換を申し出ます。
以上のことは、Will Lauderが社長在籍時に販売された very heavy 4oz のエアロレザージャケットにのみ適用されます。
Will Lauder が社長の立場で行ったことについて刑事事件となっていること、Will Lauder対して民事控訴院で民事訴訟を行っていることをエアロレザー社は遺憾に思います。Will Lauderは、現在、エアロレザー社およびホーウィン社と関係ありません。
Tuesday 5th November 2013 | Scottish Courts
エアロは "heavy 4 oz.+ FQHH" と宣伝していたが、そもそも、3oz 以上のFQHHをホーウィンは作っていない。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
21日に発表したときは、偽装は過去1年間だけと思ってたが、28日現在、恐らくそうではないと思うに至っている。いつから始めたのか全く分かっていない、とのこと。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
Will が工場を運営したのは8年間。
FQHH は平均 10 スクエアフィート、Heavy Steerhide は平均 23 スクエアフィート。裁断前ならば FQHH と Heavy Steerhide を見分けるのは簡単。
しかし、裁断した場合、皮革に精通した知識無しで両者を見分けるには、銀面と重さの微妙な違いを調べるしかない。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
Highwayman (3.3 kg - size 38)、1950's Flight Jacket (2.4 kg - size 38)、両者とも"Genuine Front Quarter Horsehide"のタグが付いている。
Ken が写真を見たところ、茶色のHighwaymanがステアハイドであることに疑いの余地は無い、とのこと。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
ホースハイドとステアハイドの"mixed-hide jacket"疑惑。
Horween USA and Aero Leather Joint Statement | The Fedora Lounge
後日談
フリージャーナリストのSloan1874氏による傍聴記11編中、「Storse!」編だけ訳しました。StorseとはSteerとHorseの造語です。横領に関する裁判であって、偽装が争点の裁判ではないので、偽装期間（や販売ルート、販売枚数等）は確定されていませんが、馬原皮不足の時期とやや重なりますね。
ちなみに、Sloan1874氏が書いた記事。
- Former Aero Leather Clothing boss guilty of theft | The Scotsman
- Jailed, MD of luxury clothing firm who sold stock on eBay | Daily Mail
Aero Trial Narrative. Storse! | The Fedora Lounge
注：このスレの目的はエアロ裁判の詳細を記すこととし、コメントはここではなく、trial updateスレに書いてください。このスレの文章は全て、鉤括弧で明示している文章以外も、裁判での発言を元にしています。
10人の従業員を連れてウィルがエアロを去った後、エアロは会社の再建を始めた。ウィルとは働くことができずに辞めた8人の元従業員を再び雇い、さらに8人の大卒を雇い育てた、とケンは語った。＜参考：A week to remember for Galashiels company | The Southern Reporter 2013年4月時点での従業員数が計24人ということは、エアロに残った従業員は18人中8人だったことが分かる。その8人に、元従業員8人と大卒8人が加わって計24人になるので＞
しかし2012年11月の中頃に新しい問題が起こった、とケンは法廷で語った。ホースハイドのタグ付きのステアハイド製ジャケットが3、4着戻ってきたのだ。
ケンはタグの貼り違いが引き起こすであろう損害にすぐに気づいたので、この問題を告知するためにホーウィンとの共同声明を出し、その責任はウィルにあるとした。この声名はエアロのHPとFedora Loungeに投稿された。
ホーウィンは声名の発表を承認していなかったというウィルの弁護人の異議に対し、ホーウィンの社長スキップが共同声明に同意していた一連のEメールをまだ持っているとケンは反論した。ケンはまた、「ウィルの信用を攻撃」するために声名を出したという意見を否定し、声名を出したのは、疑惑のジャケットをホーウィンに送り、検査して、革を同定した後だったと語った。80着のジャケットが返品され、新品に交換された。ウィルと裁断担当のジョニー2人だけがこの偽装を知っていたために、声名で名指ししたと語った。
ケンもタグの偽装を知っており承認していたと弁護人は語ったが、ケンは次のように語り、譲らなかった。
「我々は偽装を黙ったままでいるか、正直に両手を上げるのか、どちらかだった」
「会社にとって大変な窮地だった。2012年は3つの出来事でエアロは廃業したと言ってもいいのかもしれない。その中でも偽装は最悪だった」
「適切な言葉が見つからないが、我々は顧客を騙していた」
「もし私が偽装を知ったなら、その翌日には工場に行っただろう。しかし、私は偽装に関してウィルと会話したことは一度も無い。偽装が発覚した瞬間、大変ショックを受けた。今なおショックを受けている。今なお続いている問題で、ジャケットが返品されている」
「我々が30年かけて築いた信用を失ったかもしれない」ホースハイドとして販売されたステアハイドの偽装の説明をケンに求めたところ、廃棄や手間の点では革のコストにはほとんど差は無く、ホースハイドのジャケットを作るにはステアハイドのジャケットを作るより40ポンド高くかかる、とケンは説明した。また、新品のままでは違いは明らかではないだろうが、6ヶ月から1年着ると、専門家や多少の知識のある者には、どちらの革で作られたかは明らかになるだろう、とも説明した。
縫製担当のジュリーは、偽装はアイアンハートと関係していると証言した。ケンがエアロに復帰したとき、彼女はその問題を知っているだけだったが、その後、偽装ジャケットが工場に戻ってきたと語った。
ジャケットの製造工程を聞かれると、革の種類が書かれ、ウィルとジョニーが判を押したチケット付きの裁断された革を縫製担当が受け取ると答えた。そして、ホースハイドとして受け取った革が、以前の物より大変厚くなったことに気づき始めたが、当時はホースハイドとステアハイドの違いを知らなかった、しかし今なら分かる、ステアはホースより「シボが目立ち、艶がある」と答えた。
ある時、ウィルがステアハイドを見せながら、ホースハイドにそっくりに見える、「薄く漉くことができるだろう」が、「ケンは絶対しないだろう」と言ったことがある、とジュリーは語った。
彼女は本当に厚いホースハイドと信じていた革を使ってアイアンハートのジャケットを2011年に作り始めたが、当時はウィルのコメントを何とも思わなかったと語った。ホーウィンがホースハイドの需要に追いつけなかったために、偽装せざるを得なかったとウィルは証言した。「残念ながら、ホーウィンはホースハイドの生産が追いつかなかった。我々がホーウィンホースハイドの大半を使っていた」と。
ステアハイドを使い、それを一部のジャケットでホースハイドと偽装する決断をしたのは、ステアハイドとホースハイドは同じように見えたから、とウィルは語った。しかし、ステアハイドはホースハイドより厚いということをウィルは認めた。ウィル、ケン、ジョニーの3人がこの偽装を知っていたと繰り返し語り、3人とも偽装の実行に満足していなかったと語った。
ウィルがホーウィンの社長スキップと会ったところ、スキップがステアハイドはホースハイドより上質だと言っていた、と語った。この措置は一時的なもので、ちょうど8ヶ月続けた、とウィルは断言した。検察官は反対尋問で、もしステアハイドのジャケットにホースハイドのタグが付けられていたことが広く知られたら、エアロの評判に多大な傷がつくが、その責任はウィルにあるとしたところ、ウィルは、2つの革はそっくりなので見分けることはできない、と主張した。
検察官「顧客が知らなければ、顧客の損害にはならないと？」
ウィル「顧客を騙していたと呼びたいなら、騙していたことになるのかもしれないが、顧客は同じ革に見える上質なジャケットを買ったのだ」
もしステアハイドとホースハイドのジャケットを法廷に提出すれば、違いが分からないことが分かるでしょう、とウィルは断言し、顧客は望んだ物を手に入れたのだと語った。これに対し検察官は、もしホースハイドをオーダーし、ステアハイドを手に入れたというのならば、「顧客は望んだ物を手に入れたとはならないでしょう？」と反論した。
偽装した期間を尋ねられたところ、ウィルは8ヶ月間で、また、彼の解雇後も続いたと答えた。
ウィルは仕事への情熱を示唆し、「商品の出来が一番大事だ」と言ったところ、検察官が「貴方は顧客を騙していたとも言いました。つまり、貴方は商品に真摯に向き合っていなかったというだ」と反論した。これに対しウィルは「それでも顧客は美しいジャケットを手に入れた。ホースハイドよりも美しいジャケットを」と主張した。ジョニーは弁護側証人として、ウィル在職中の2009年から2012年まで偽装をしていたと証言した。また、ケンが電話でウィルを解雇した後も偽装を続けるように言っていたと主張したが、その電話の日付や大体の日付も答えることはできなかった。ウィル解雇後すぐに、ジョニーも退職したと証言した。
ケンは証拠の一部である偽装されたジャケットを指し、偽装は2007年に遡ると証言した。
ケンに知らせずにウィル解雇後も偽装を続けていたことをケンは確かめた。ウィルの息子ブレンダンがジョニーと一緒に偽装を続けていたことが発覚したのだ。「ブレンダンが大きい革（ステア）を使っていることが分かった。彼が偽装していたとは気づかなかった」とケンは語った。
ウィル解雇後も1ヶ月間、ブレンダンを雇い続けたのは、彼が父親のしたことを知らなかったと思っていたから、とケンは以前法廷で語った。「ブレンダンのことを大変気の毒に思った。彼をもう1ヶ月雇ったのは、彼は父親の欲の犠牲者だと思ったから」と。
時系列まとめ。
Aero Leather Clothing trial update
2011年4月 ウィルは大学からの実習生に全てのジャケットのパターンの複製を命じた。6ヶ月以上かかった仕事だった。
2012年 ウィルとサンディが、「思いがけない出会い」により、アレキサンダーレザーの創業を決心したとされる。
2012年4～6月 ウィルはケンにサンディのエアロ買収話を伝えた。サンディが故意に低く見積もった買収額をケンは拒否した。
2012年9月24日 ウィルの横領が発覚し解雇した。
2012年10月9日 アレキサンダーレザー創業。
2012年10～11月 アレキサンダーレザー取締役のポールとの面会後、数名の従業員がエアロを辞めて、アレキサンダーレザーへ移った。
2012年11～12月 エアロの知的財産権を守るためのケンの尽力によって、ウィルが自宅に保管していたエアロのパターンを返還することに同意した。
2013年1月24日 アレキサンダーレザーが新作ジャケットDetroit、Dirtrider、Nebraska、Long Riderを発表。
2013年1月29日 アレキサンダーレザーが新作ジャケットBike、Spiegel、Roadster、Drifterを発表。
押収物らしい。
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